図のような表のB4番地には、「手数料」を計算するための数式が入力されています。
それがどんな数式かを確認するために、B4番地を選択した状態で数式バーを見ると、
= 購入額 × 手数料率
を意味する数式、
= A4 * B1
が入力されていることが分かります。
残りの「手数料」欄のセルにも数式を入力したいのですが、これらの数式も
= 購入額 × 手数料率
の数式を入れたいことは同じなので、手っ取り早く、このB4番地の数式をコピーしたいと思います。
コピー元であるB4番地を選択すると、そのセルが太い枠で囲まれ、その右下にポッチが付いています。
このポッチにマウスポインタを合わせると、マウスポインタが黒い十字の形になるので、下に向かってドラッグします。
オートフィルでの数式のコピーの操作です。
数式をコピーできました!と言いたいところですが、明らかにおかしな状態になっています!
なぜ「おかしな状況」なのか、じっちゃんの名にかけて、原因を解明していくことにしましょう。
原因を解明したい時には、おかしなことになっている箇所の、現状を把握することがとっても大切!
そこで、コピー先であるB5番地を選択した状態で数式バーを見ると、このセルには、
= A5 * B2
という数式が入っていることが分かります。
更にその下のコピー先も見てみましょう。
B6番地を選択した状態で数式バーを見ると、このセルには、
= A6 * B3
という数式が入っていることが分かります。
現在の「手数料」欄に入っている数式をまとめると、図の左側「現在の数式」のような状態になっています。
数式は
= 購入額 × 手数料率
としたいわけですから、数式内の「購入額」を表すセル番地に「相対参照」の仕組みが働いて、A4、A5、A6、A7、A8という風に、1つずつズレてくれるのはありがたいのですが、しか〜し!!
「手数料率」を表すセル番地が、B1、B2、B3、B4、B5という風に1つずつズレてしまうのは、今回の数式では困るんです!
「手数料率」のセルはB1番地だけなので、1つずつズレることなく、常にB1番地になってないと困ります!
というわけで、今回のように数式をコピーした時に、数式内のセル番地がズレては困る!、絶対にこのセルでお願いします!という時には、数式をコピーしても、そのセルがズレないようにする「絶対参照」という技を使いながら数式を入力します!
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絶対参照の数式を入力してみよう!
まずは、コピー元となるB4番地の数式自体、現時点ではそれをコピーすると不具合が起きてしまう数式です。
なので、このコピー元のセルと、見ただけで明らかにおかしいコピー先の数式を、すべて消していくことにしましょう。
B4からB7番地を範囲選択した状態で、[Delete]キーを押すと、
それでは気分を改めて。
コピー元となる数式を入力するところから始めていきましょう!
数式を入力したいB4番地を選択し、
数式を入れる合図の「=」(イコール)を入力します。
入れたい数式は、
= 購入額 × 手数料率
なので、その「購入額」にあたるA4番地をクリックで選択します。
そしてこの、「購入額」にあたるA4番地は、
図の「正しい数式」のようにA4、A5、A6、A7、A8と、数式をコピーした時にズレて構わないセルなので、特に何もせず、いつも通り先に進みます。
続いて、
= 購入額 × 手数料率
の「×(かける)」にあたる、「*」を入力します。
更に続いて、
= 購入額 × 手数料率
の「手数料率」にあたる、B1番地をクリックで選択します。
この、「手数料率」にあたるB1番地は、
数式をコピーした時にズレては困るセルなので、ここでズレないようにする技をほどこします!
キーボードの[F4]キーをポンッと押すと、数式内の「B1」の部分にドルマークが付きました!
これで、数式をコピーしてもズレないようにできたわけなんですが、これを良く見ると、「B1」の「B」の前と、「1」の前に、それぞれドルマークが1つずつ付いていることが分かります。
(この時、ドルマークが「B」の前と、「1」の前に1つずつではなく、片方だけにしか付いていない、またはどちらにも付いていないという方は、[F4]キーを押すときに緊張してしまってキーを長押ししてしまい、[F4]キーを何回も押してしまったのと同じ状態になっています。
そうなってしまっても、そのまま先に読み進めれば対処できますので、慌てることなく、そのまま読み進めてください。)
ここでもう一度[F4]キーをポンッと押すと、今度は「B」の前にあったドルマークが消え、「1」の前にだけ付きました。
更にもう一度[F4]キーを押すと、今度は「B」の前にだけドルマークが付き、「1」の前のドルマークが消えました。
更にもう一度[F4]キーを押すと、「B」の前からも、「1」の前からもドルマークが消え、一番最初と同じ状態に戻りました。
このように、[F4]キーを押すたびに、ドルマークの付く位置が変わっていくのですが、数式をコピーした時にズレないようにする通常パターンは、「B」の前にも、「1」の前にも、両方にドルマークが付いている状態なので、
もう一度[F4]キーを押して、「B」の前にも、「1」の前にも、両方にドルマークが付いている状態にします。
数式はこれでいいので、最後に[Enter]キーを押すか、数式バーの[入力]ボタンをクリックして、数式を確定します。
数式を入力することができました!
数式を入れたばかりのB4番地を選択した状態で数式バーを見ると、
= 購入額 × 手数料率
の「手数料率」にあたるB1番地が、コピーした時にズレないよう、ドルマークを付けた状態であることが改めて確認できます。
早速、この数式をオートフィルでコピーしてみましょう!
数式を入力したB4番地を選択すると、そのセルが太い枠で囲まれ、その太い枠の右下にポッチが表示されます。
このポッチにマウスポインタを合わせると、マウスポインタが図のような黒い十字の形に変わるので、下に向かってドラッグすると、
数式をコピーすることができました!
今度こそ、入力したかった正しい数式になっているか確認してみましょう!
コピー先であるB5番地を選択すると、ちゃんと
= 購入額 × 手数料率
である、
= A5 * $B$1
になっていることが分かります。
「B1」はズレないように設定してあったので、コピー先でもドルマークが付いているわけですね。
同様に、次のコピー先であるB6番地を選択しても、これもちゃんと
= 購入額 × 手数料率
である、
= A6 * $B$1
となっています。
このように、数式をコピーした時に、数式内のセル番地がズレないようにしたい時には、[F4]キーでドルマークを付ければいいわけです!
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ドルマークが1つだけのパターンは、いつ使うの?
今回は、数式をズレないようにする「通常パターン」は「$B$1」のように、ドルマークが2つ付いているものだよ、というようなご説明をしました。
そうすると、「B$1」や「$B1」のように、ドルマークが片方にだけ付いているパターンはいつ使うんだ?ということになると思います。
私の経験では、Excelで数式をコピーする際、今回のように縦方向にのみオートフィルするか、もしくは横方向にのみオートフィルするか、といった、どちらかの方向にのみオートフィルするケースが大半を占めます。
このように、縦方向か、横方向のどちらかにしかオートフィルをしない場合には、「B」の前と「1」の前の「$B$1」のように、両方にドルマークが付いていればOKです。
特に初心者の方は、「両方にドルマークが付いていればズレない」という風に、単純に覚えていただいてOKです。
ところが、だんだんExcelを使い慣れてくると、1つの数式を、縦方向にも、
横方向にもコピーしたいことが出てきます。
そういった、縦方向にも横方向にも同じ数式をコピーしたい時に出てくるのが、片方にだけドルマークを付けるパターンです。
これは「複合参照」というものなのですが、Excel初心者の方が「複合参照」に手を付けるのは早いと、私は思っています。(あくまでも私本人の個人的な見解です。)
というわけで、まずは今回ご紹介した、[F4]キーを一回ポンッと押して、両方にドルマークが付いている状態にすることで、数式をコピーしてもズレないようにできる「絶対参照」を徹底的に覚えてください。
「絶対参照」という名前は覚えなくていいので、「[F4]キーでドルマークを付け、ズレないようにする」ということは、確実に覚えていきましょう!