「セルの書式設定 基本のキ(罫線編)」、「セルの書式設定 基本のキ(罫線で混乱しやすいポイント編)」では、リボンにあるボタンを使って、セルに罫線を設定する、とても簡単な方法をご紹介しました。
今回は、下のような表に罫線を設定しながら、罫線のテクニックをもう一歩前進させたいと思います!
今回の操作は、
「セルの書式設定 基本のキ(罫線編)」
「セルの書式設定 基本のキ(罫線で混乱しやすいポイント編)」
をお読みいただいていることを前提として進めていきますので、まだの方は最初にご覧ください。
表の外枠と内側を一気に設定!
まずは下の図のA4番地からD11番地までに
下の図のような、外枠は太く、内側は細い罫線を設定してみたいと思います。
まずはA4からD11番地に設定したいわけですから、A4からD11番地を範囲選択します。
今回のような罫線を設定したい場合、手っ取り早い方法としては、「セルの書式設定 基本のキ(罫線編)」でご紹介しているように、[ホーム]タブにある罫線を引くボタンの[▼]をクリックして表示される、[格子]ボタンと[外枠太罫線]ボタンを使うこと。
(練習ファイルで、ボタンをクリックして操作の確認をしてみた方は、[元に戻す]ボタンで、罫線を引く前の状態に戻しておいてください。)
罫線を引くには、このようなリボンにあるボタンを使う以外に、実はもう1つ別の方法があります。
まずは範囲選択したA4からD11番地までのところだったらどこでもいいので右クリック、
[セルの書式設定]をクリックします。
範囲選択したところで右クリックすることによって、Excelさんは「今からこんなことしたいんじゃない?」と、その範囲選択した箇所に見合った作業の一覧を表示してくれます。
そして、「書式設定」とは「飾り付け」のこと。
これから、セルに罫線を引くという飾り付けをしたかったので、Excelさんが表示してくれた一覧から[セルの書式設定]をクリックで選択した、というわけです。
セルへの飾り付けをあれこれとできてしまう[セルの書式設定]ダイアログボックスが表示されます。
今回は、罫線を設定したいので、[罫線]タブをクリックで選択します。
この中央にあるのがプレビュー枠。
プレビュー枠の中に、「文字列」、「文字列」・・・とありますが、
これは1つ1つのセルを表します。
このプレビュー枠に、セルに設定する罫線の状態が表示されるわけです。
では早速、罫線を設定していきましょう!
まずは左側にある[線]の[スタイル]欄から、設定したい罫線の線種を選択します。
今回はまず、外枠の太線を設定したいと思いますので、一覧から太い線をクリックで選択します。
太い線だったらお好みでどれでもOKですヨ。
そして、右側の[外枠]ボタンをクリックすると、中央のプレビュー枠に「こんな風に設定されますよ〜」と表示されます。
この時点で、外枠は設定できたものの、各セルを仕切る、内側の細い線は設定できていないので、このまま引き続き設定していきます。
それでは引き続き、各セルを仕切る細い線を設定していきましょう!
[線]の[スタイル]欄で細い直線をクリックで選択し、
[内側]ボタンをクリックすると、中央のプレビュー枠に「こんな風に設定されますよ〜」と表示されました。
外枠は太く、内側は細い罫線の設定ができたので、ダイアログボックス右下の[OK]ボタンをクリックすると、
選択した範囲に罫線を引くことができました!
でも、範囲選択した状態では、どんな風に設定されたかがイマイチ分かりづらいので、
範囲選択を解除すると、分かりやすいです。
ちなみに、A列の左側の線が太くないんじゃない?と思う方がいらっしゃるかもしれません。
これは、画面での表示がそう見えているだけで、実際に印刷すると、ちゃんと太く印刷されますから大丈夫ですヨ。
今回の操作を、Be Cool Users おなじみの「セリフ」にすると、
どこに対して、どの線を、どこに引く
となり、
実際の操作に対応させると、こんな風になります!
どこに対して | 範囲選択 |
---|---|
どの線を | [セルの書式設定]ダイアログボックスの[線]の[スタイル]欄 |
どこに引く | [セルの書式設定]ダイアログボックスの[外枠]ボタンや[内側]ボタン |
スポンサーリンク
下二重罫線
今度は、下の図のように、A4からD4番地の下に、二重線を引いてみたいと思います。
設定したいのはA4からD4番地なので、まずはA4からD4番地を範囲選択します。
範囲選択したセルの下に二重線を引く時、手っ取り早い方法は、これまた[ホーム]タブの[下二重罫線]ボタンなわけですが、今回も[セルの書式設定]ダイアログボックスを使って設定してみます。
(練習ファイルで、左の図のボタンをクリックして操作の確認をしてみた方は、[元に戻す]ボタンで、罫線を引く前の状態に戻しておいてください。)
範囲選択したA4からD4番地のところだったらどこでもいいので右クリック、
[セルの書式設定]をクリックします。
[セルの書式設定]ダイアログボックスが表示されるので、先ほど同様、罫線を設定したいので、[罫線]タブを選択します。
先程、外枠や内側の罫線を設定した時には、「文字列」というセルを表すものがプレビュー枠に縦方向にも横方向にも並んで表示されていましたが、今回は横方向に並んだものしか表示されていません。
これは、今回の範囲選択が、横方向では複数のセルをまたいで範囲選択しているものの、縦方向では複数のセルをまたいで範囲選択していないからです。
今回は二重線を設定したいので、[線]の[スタイル]欄から、二重線をクリックで選択します。
そして、その二重線は、選択したセルの下側に引きたいので、左の図の○印のボタンをクリックすると、プレビュー枠に「こんな風に設定されますよ〜」と表示されます。
ちなみに、このボタンの絵柄の意味については、後ほどご説明しますので、このまま順番に読み進めてください。
ダイアログボックス右下の[OK]ボタンをクリックすると、
範囲選択したセルの下側に、二重線を引くことができたのですが、やはり範囲選択した状態ではどんな風に設定されたのかが分かりづらいので、
範囲選択を解除すると、どんな風に設定されたかが分かりやすいです。
A4からD4番地の下に、二重線を引くことができました!
もちろん、今回の操作も、セリフ通りの操作をしています!
どこに対して | 範囲選択 |
---|---|
どの線を | [セルの書式設定]ダイアログボックスで、二重線を選択 |
どこに引く | [セルの書式設定]ダイアログボックスで、下側に線を引くボタンをクリック |
スポンサーリンク
プレビュー枠をクリックしてもOK!
さて、ここまでで、
「[ホーム]タブにあるボタンで罫線を設定できるんだから、[セルの書式設定]ダイアログボックスで設定する方法なんて覚えなくていいんじゃない?」
と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか?
でもですね、ダイアログボックスで設定する方法をなぜ覚えるのか、それにはちゃんとした理由があるんです。
例えば下の図のように、A4からA11番地までのセルの右側に二重線を引きたい、と思ったとします。
でもですね、[ホーム]タブにあるボタンには、選択したセルの右側に二重線を引くものはありません。
[ホーム]タブにあるボタンは、一般的によく使われるものを、スピーディーに設定する時に便利なのですが、それぞれの細かな好みに合わせた設定はできません。
でも![セルの書式設定]ダイアログボックスなら、それが可能なんです!
では早速 設定していきましょう!
今回はA4からA11番地までに設定したいわけですから、A4からA11番地までを範囲選択後、範囲選択したところで右クリック、[セルの書式設定]をクリックします。
[罫線]タブのプレビュー枠を確認します。
今度は「文字列」というセルを表すものが横方向には並んで表示されず、縦方向にのみ並んで表示されています。
これは今回の範囲選択が、縦方向にのみ複数のセルをまたいで範囲選択されたからですね。
二重線を、選択したセルの右側に設定したいわけですから、[線]の[スタイル]欄で二重線を選択します。
更に今度は、プレビュー枠に表示されている、セルの右側に引かれた線を、直接マウスでクリックすると、
直接クリックしたところの線が、二重線に変わりました!
そうなんです、今までの方法を取るなら、左の図のボタンを使って、線を引く位置を指定することもできるわけですが、
(既に目的の線が引いてあるのに、もう一度同じ設定を繰り返すと、線が消えてしまいます。
操作の確認のため、左の図のボタンを押して線が消えてしまった方は、もう一度ボタンを押して、設定をしてください。)
今回のように、プレビュー枠で、該当する線を直接クリックして指定することもできるんです!
(既に目的の線が引いてあるのに、もう一度同じ設定を繰り返すと、線が消えてしまいます。
操作の確認のため、左の図の線の部分を再度クリックして線が消えてしまった方は、もう一度同じところをクリックして、線を引き直してください。)
ただし!
プレビュー枠で、該当する線を直接クリックする場合には、線と線とが交わるような位置ではクリックしないこと。
Excelさんが、交わっているどっちの線を変えるべきなのか迷ってしまい、意図していない線の方が変わってしまうこともあるからです。
でも、もしやってしまった場合には(笑)、ダイアログボックス右下の[キャンセル]ボタンをクリックして、もう一度最初から設定すればOKですヨ。
プレビュー枠で、該当する線を直接クリックして指定した後、[OK]ボタンをクリックすれば、範囲選択したセルの右側に二重線を引くことができました!
プレビュー枠を直接クリックして指定する方法をとったとしても、「セリフ」は全く同じです!
どこに対して | 範囲選択 |
---|---|
どの線を | [セルの書式設定]ダイアログボックスで、二重線を選択 |
どこに引く | プレビュー枠で該当する線をクリック |
スポンサーリンク
斜め線を引く
今度は、下の図のように、A4番地に斜めの線を引いてみたいと思います。
まずは、斜め線を引きたいのはA4番地なので、A4番地を選択し、[セルの書式設定]ダイアログボックスを表示します。
ちなみに、この時点で[セルの書式設定]ダイアログボックスが表示できない方は、これ以上進むのは超キケンです!
どうかもう一度このページの最初からご覧ください(願)。
表示されたダイアログボックスの[罫線]タブで設定していきます。
下の図のように、中央のプレビュー枠には、「文字列」というセルを表すものが1つしか表示されていません。
範囲選択したセルが1つだけだからですね。
「どの線を/どこに引く」ですから、ダイアログボックスの左側で、細い線を選択し、更にその右側で、斜め線を引くボタンをクリックするか、プレビュー枠で斜め線が引かれそうな位置をクリックして線を引きます。
ただ、今回のような場合は、プレビュー枠を使う方法だと、慣れない方はどの辺りをクリックすればいいのか分かりづらいので、ボタンを使った方が分かりやすいと思います。
[OK]ボタンをクリックすれば、
選択したセルに、斜め線を引くことができました!
上側でもない下側でもない線
今度は下の図の、A6からD8番地(オレンジ枠の部分)と、A10からD11番地(緑色の枠の部分)の2ブロックに対して、各セルを仕切る横線部分(下の図の矢印の線)のみを点線にしてみたいと思います。
まずは、A6からD8番地と、A10からD11番地の2ブロックを一緒に範囲選択後、[セルの書式設定]ダイアログボックスを表示します。
表示されたダイアログボックスの[罫線]タブで設定していきます。
点線を選択後(点線はどの点線でもOKです。お好みのものをどうぞ)、線の位置の指定は、左の図のボタンをクリックするか、プレビュー枠に表示されている左の図の線を直接クリックで指定し、[OK]ボタンをクリックすれば、
(線を引くボタンを押したあとで、プレビュー枠の線もクリックしてしまった方は線が消えてしまいます。もう一度どちらかをクリックすると再設定できます)
変えたかった線を、点線に変更することができました!
なぜ今回は、プレビュー枠のこの位置の線を指定したのでしょう?
今回は、下の図のオレンジ枠のブロックと、緑色の枠のブロックの2ブロックに対して指定を行ったわけですが、点線に変更した罫線は、各ブロックとも、上下をセルとセルとで挟まれた、その間の横罫線です。
プレビュー枠の「文字列」はセルのことを表しますから、上下をセルとセルとで挟まれた横罫線とは、左の図の矢印の部分の線に相当します。
ここで、左の図の、矢印の線はなぜ指定しないんだ?と思った方もいらっしゃるかもしれません。
この位置の線は、範囲選択した各ブロックの、一番上の線と、一番下の線を表すので、もし指定してしまうと、
各ブロックの一番上の線と、一番下の線、つまり下の図の位置の線が点線になってしまうからです。
スポンサーリンク
罫線を消す
今度は下の図の、B5からD5番地(オレンジ枠の部分)と、B9からD9番地(緑色の枠の部分)の2ブロックに対して、各セルを仕切る縦線部分(下の図の矢印の線)のみを
下の図のように消してみたいと思います。
まずは、B5からD5番地と、B9からD9番地の2ブロックを一緒に範囲選択後、[セルの書式設定]ダイアログボックスを表示します。
表示されたダイアログボックスの[罫線]タブで設定していきます。
線を消したい時の考え方も、今までと同じ。
「無い線を/ここに引く」という風に考えます。
なので、罫線の種類は「なし」を選択します。
更に、各ブロックで、左右をセルとセルとで挟まれた、その間の縦罫線を消したいわけですから、位置を指定する左の図のボタンか、プレビュー枠内の左の図の線をクリックで指定すると、
指定した罫線が消えることが、プレビュー枠で確認できました!
[OK]ボタンをクリックすると、
思い通りに、指定した罫線を消すことができました!
ここまでの まとめ
ここまでで、こんな風に罫線を設定することができました!
どんな罫線の設定も、そして、罫線を消す時も、
どこに対して、どの線を、どこに引く
のセリフで設定できたことが分かります!
ボタンは「絵」で覚える!
さて、[セルの書式設定]ダイアログボックスで、罫線を引く際に押していたボタン、[外枠]や[内側]、そしてセルに斜めの線を引くボタンは分かりやすいとしても、それ以外のボタンが、どこに線を引くボタンなのかが分かりづらい!という方も、中にはいらっしゃるかもしれません。
これは他の操作でも言えることなのですが、ボタンは「絵」で覚えます!
それでは、それがどういうことなのかを実際に見て頂くために、練習ファイルを操作しながらご覧いただいている方は、画面左下のシート見出しをクリックして、Sheet2に切り替えておいてください。
まずは左の図のボタン。
このボタンを拡大したのが下の図。
上の拡大図をよ〜く見ると、マス目があるわけですが、このマス目は各セルを表します。
更によく見ると、その複数のセルの一番下にだけ線が引かれています。
つまり、「選択したセル範囲の、一番下に線を引きますよ」という意味になるので、
もし、A3からB5番地を範囲選択して、このボタンで罫線を設定した場合には、
「選択したセル範囲の一番下」、つまり、左の図の位置に線が引かれることになります。
本当にそうなるか、確認してみましょう。
A3からB5番地を範囲選択し、
[セルの書式設定]ダイアログボックスの[罫線]タブで、罫線を設定していきます。
線種は何でもいいのですが、今回は二重線を選択してみます。
そして、先程の「選択したセル範囲の一番下」に線を引くボタンをクリックして罫線を設定します。
[OK]ボタンをクリックすると・・・
予想通り、「選択したセル範囲の一番下」に線を引くことができました!
(練習用ファイルで実際に操作をしながらご覧いただいている方は、次の操作のために[元に戻す]ボタンをクリックして、線を引く前の状態に戻しておいてください。)
今度は左の図のボタン。
このボタンを拡大したのが下の図。
セルを表すマス目の一番上にだけ線が引かれています。
つまり、「選択したセル範囲の、一番上に線を引きますよ」という意味になるので、
先程と同じくA3からB5番地を範囲選択して設定するならば、「選択したセル範囲の一番上」、つまり、左の図の位置に線が引かれるのではないかと、想定できます。
では実際に確認してみます。
A3からB5番地を範囲選択し、
[セルの書式設定]ダイアログボックスの[罫線]タブで、先程と同じように二重線を選択します。
そして、「選択したセル範囲の一番上」に線を引くボタンをクリックして罫線を設定すると・・・
予想通り、「選択したセル範囲の一番上」に線を引くことができました!
(練習用ファイルで実際に操作をしながらご覧いただいている方は、次の操作のために[元に戻す]ボタンをクリックして、線を引く前の状態に戻しておいてください。)
じゃぁ今度は、左の図のボタン。
このボタンを拡大したのが下の図。
上下をセルとセルとで挟まれた、その間に罫線が引かれています。
ということは、もしA3からB5番地に設定した場合には、どこに線が引かれるか想像できますか?
ファイナルアンサー?(←古い)
では早速、A3からB5番地を範囲選択後、[セルの書式設定]ダイアログボックスで、二重線をその位置に設定してみてください。
ご自分の予想通りに線は引かれたでしょうか?
ここで、[セルの書式設定]ダイアログボックスのプレビュー枠では、線が1本しか引かれなかったのに、
実際に設定してみると、2本引かれてるではないか!と混乱してしまった方はいらっしゃいますか?
プレビュー枠で確認するのは、「罫線の本数」ではなく、「罫線の位置」です。
今回のボタンを押すことによって、プレビュー枠には、「上下をセルとセルとで挟まれた、その間に横罫線が引かれますよ〜」と表示されます。
今回範囲選択したA3からB5番地で、「上下をセルとセルとで挟まれた、その間」は左の図の位置なので、そこに線が引かれた、というわけです!
さぁ、「ボタンは絵で覚える」、実感していただけましたでしょうか?
そうすると、左の図のボタンも、どこに線を引くボタンなのか、想像できますね。