写真の背景を消す
- Word 2016, 2013, 2010
- Excel 2016, 2013, 2010
- PowerPoint 2016, 2013, 2010
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写真の背景を消して、その部分を透明にするのが今回ご紹介する技。
専門の画像処理ソフトを使わなくても、WordやExcel、PowerPointでできてしまいます。
ただ、今回は写真のように多数の色が背景にある場合の消し方になりますので、図のイラストのように、背景が1色しかない画像の背景を消したい場合には、「イラスト画像の背景を透過(透明にする)」の方法を使います。
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表示倍率が操作のコツ
今回の操作では、背景として消したい箇所、その逆に残したい箇所を、手動で指定していく操作もあります。
ですので、見えにくいと感じたら、画面右下のつまみをドラッグして表示倍率を拡大し、逆に全体のイメージを見たい、といった場合には、表示倍率を小さくして見るなど、表示倍率を変更しながら操作するのがコツになります。
背景の削除
それでは早速、写真の背景を消して、透明にしていきましょう!
背景を消したい写真を選択します。
写真を選択すると、リボンに[図ツール]が表示されます。
[図ツール]の[書式]タブ、[調整]グループにある、[背景の削除]ボタンをクリックすると、
Officeが写真の対象物を自動認識して、消して透明にする背景をピンクで、消さずに残すものはそのままの色で表示してくれます。
あくまでもこの時点では自動認識なので、ここから人間の手を加えて、背景として消すものと、消さずに残すものの調整をしていきます。
残すものを大まかに指定
自動認識した写真には、白いポッチで囲まれた境界線が表示されています。
この境界線の中に、消さずに残すものが収まるように、白いポッチを使って、境界線の範囲を調整します。
白いポッチのいずれかにマウスポインタを合わせ、マウスポインタが両矢印の形になったらドラッグすると、境界線の範囲を調整できます。
この時、残したい対象物ギリギリのところに境界線が来るようにするのがポイント。
残したい対象物よりもずいぶんと大きめに境界を決めてしまうと、この後の操作が大変になってしまいます。
また、あくまでもこの時点では、残すものを大まかに指定するだけなので、残したいものが背景としてピンクになっていたり、逆に消したいのに、残すものとして表示されていても全く問題ありません。
保持する領域と、削除する領域をマーク
大まかな指定が終わったので、今度はうまく認識されていないところを、手作業で細かく指定していきます。
図の写真では、男性と女性を消さずに残したいわけですが、男性のズボンの部分が背景として認識されてしまっています。
そこで、これを消さずに保持してくれるよう、手動で設定していきましょう。
[背景の削除]ボタンで操作を開始した時点で、リボンのボタンの表示が変わっています。
[背景の削除]タブの、[保持する領域としてマーク]をクリックしたあと、
写真のところにマウスポインタを持って行くと、マウスポインタが鉛筆の形状になっています。
消さずに残したいものを横切るようにドラッグすると、
ドラッグした部分にマーカーが表示されました。
ドラッグした箇所の周囲が、消さずに保持するものとして認識されたので、ピンク色が解除されています。
[保持する領域としてマーク]ボタンは、もう一度クリックしてOFFにするまで有効ですので、他の箇所にも続けて設定を行えます。
図の写真では、男性の頭の上部も背景として認識されてしまっているので、消さずに残したい箇所を横切るようにドラッグします。
但し、髪の毛は非常に難しく、一本一本を細かに残すことは不可能です。
「髪の毛」ではなく「頭部」として認識させるのが精一杯ですので、ある程度の妥協は必要です。
繰り返し保持する領域を指定していって、すべての指定が終わったら、[保持する領域としてマーク]ボタンを、もう一度クリックしてOFFにします。
逆に、背景だから消したいのに、残すものとして認識されてしまっている場合には、背景として削除する対象になるよう、手動で設定していきます。
[背景の削除]タブの、[削除する領域としてマーク]をクリックしたあと、
写真のところにマウスポインタを持って行くと、マウスポインタが鉛筆の形状になっています。
背景として削除する対象にしたいものを横切るようにドラッグすると、
その周囲がピンク色になり、削除する対象になりました。
[削除する領域としてマーク]ボタンも、再びクリックしてOFFにするまで有効ですので、他の箇所にも続けて設定を行えます。
繰り返し削除する領域を指定していって、すべての指定が終わったら、[削除する領域としてマーク]ボタンを、もう一度クリックしてOFFにします。
それにしても、何十回も何百回もこの手動で指定する操作を繰り返さないといけないのでは?と心配になりますが、そんなことはないようです。
今回の写真の場合、男性と女性を残す対象として認識させるためにドラッグした箇所は、下記の数か所のみ。
私がこの機能を使ってみた印象では、どうやら微妙な色の違いも、認識の頼りとしているようなので、同じ色や柄の部分でも、光が当たって明るく見える箇所と、影になって暗く見える箇所とをつなぐようにドラッグするのがコツなのではないかと感じました。
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手動のマークに失敗したら
もし、手動のマークに失敗しても、そのマークを作業中に消すことができるので安心。
[背景の削除]タブの、[マークの削除]ボタンをクリックしたあと、
消したい「+」や「−」のマークのところでクリックすると、そのマークを消すことができます。
余計なマークを消し終わったら、[マークの削除]ボタンを再びクリックしてOFFにします。
変更を保持
手動のマークも終わったら、最後に変更を確定しましょう。
[背景の削除]タブの、[変更を保持]ボタンをクリックすると、
ピンク色だった部分が消えて、透明になりました!
もし、背景として消した部分が広範囲であれば、トリミングで、背景として消した部分を削ってしまえば、
扱いもしやすいです。
もちろん、トリミングはしてもしなくても構いません。
変更を保持した後でも、更にトリミングした後でも、写真を選択した状態で、
再び[図ツール]の[書式]タブ、[調整]グループにある、[背景の削除]ボタンをクリックすれば、
また操作を続けることができるので、手直しをしたいときに便利です。
どうしてもうまくいかない写真もある
Word・Excel・PowerPointは、あくまでも文書を作成するのがメインのソフトですので、画像を加工する専門ソフトのような、とても繊細な背景の削除まではできません。
今回ご紹介した機能は、微妙な色の違いも、認識の頼りとしているようですが、さすがに限界があり、中にはどうしても認識がうまくいかない写真も、正直あったりします。
どうしてもうまくいかない場合には、Photoshopのような、画像処理専門のソフトを使う必要があります。
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